ある日、検診で訪れた病院の待合室での親子の会話。
その病院にはお母さんと一緒に来た小さな子ども達が遊びながら待っていることができるスペースがあり、
そこにはひなにもあるようなブロックや本が少量用意されていた。
私が一人で待合室に座っていると、後から3歳くらいの女の子を連れたお母さんが入ってきて受付を済ませた後、
女の子に「お母さんお手洗いに行ってきたいから、ここで遊んで待っていてくれる?」と言いいました。
すると、女の子は「えっ?う~ん、いいよ」と少し不安そうな顔になり返事をしていた。
また、お母さんが「すぐに戻ってくるからね」と行こうとすると、
女の子が自分に言い聞かせるように「○○ちゃん泣かないで待ってるから」
と言うと、
その言葉に対してお母さんが、「もちろんよ、いつも大丈夫でしょ」
と返した。
こんな時、子どもの中には不安がいっぱいで、本当は一人で待ってるなんてしたくないよ~と思っているけれど、
お母さんが「待ってて」といったら「がんばるよ」と自分にも言っているのでしょうね。
よくある光景ですが、先ずお母さんが「待っててくれる?」
と聞いた時点でお母さんの頭の中には「疑問」や「懇願」ではなく「断定」していることが殆どです。
いつもは一人で待っていられても、もしかしたら今日は待っていたくない気分かも知れません。
戻ってきたこのお母さんは「お待たせ、ありがとう」と声をかけていました。
この一言でこの女の子は今度もまた一人で待っていられることでしょう。
何気ない一言、けれども大切な一言です。
子どもだから親を待つのは当たり前、できて当たり前ではなく、
小さい一言が子どもの心の成長にもコミュニケーション能力を育てるにも大切なことです。
大人でも、間違った時、うれしかった時、悲しかった時、楽しかった時、恥ずかしがらずに素直に
言葉にしましょう。
そして気持ちを伝えましょう。